103aEの世界



 コダック社から発売されている長尺のフィルムの中に天体用として開発されたフィルムがある。103a(astronomical)シリーズがそれに当たる。その中でも赤領域(Hα線付近)の感度が高いのがこの103aEだ。赤フィルターとの組み合わせで、肉眼では思いもよらなかった星の世界を表現してくれる。赤い星雲が浮かび上がってくる。硬調現像液D19と組み合わせると、その効果は抜群だ。やや軟調に仕上げるときはパンドールなどの普通の現像液を使う。それでは103aEで写した写真を何点か紹介しよう。
 写真乳剤の分光感度
 
 
白鳥座 1976/7/31 21:59〜22:29
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出30分
103aEフィルム、R60フィルター
D19(22゜C 5分現像)
聖高原にて 

     
いて座 1976/7/31 21:30〜52
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出22分
103aEフィルム、R60フィルター
D19(22゜C 5分現像)
聖高原にて 
ケフェウス座 1976/7/31 23:04〜20
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出16分
103aEフィルム、R60フィルター
D19(22゜C 5分現像)
聖高原にて 

りゅう座頭部 1976/7/31 20:42〜57
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出15分
103aEフィルム、R60フィルター
D19(22゜C 5分現像)
聖高原にて 
 
   
ヘルクレス座&かんむり座 1976/7/31 20:17〜37
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出20分
103aEフィルム、R60フィルター
D19(22゜C 5分現像)
聖高原にて 
北斗七星 1979/5/25 23:05〜21
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出16分
103aEフィルム、R60フィルター
パンドール(23゜C 8分現像)
富士山四合目にて 
北アメリカ星雲 1979/5/25 24:40〜52
f=135mm(F2.8),Nikomat FTn
露出12分
103aEフィルム、R60フィルター
パンドール(23゜C 8分現像)
富士山四合目にて 
     
カシオペア座 1980/12/28 20:25〜45
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出20分
103aEフィルム、R64フィルター
パンドール(20゜C 15分現像)
堂平にて 
ぎょしゃ座 1980/12/30 22:11〜36
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出25分
103aEフィルム、R64フィルター
パンドール(20゜C 15分現像)
堂平にて 

こと座 1976/7/31 21:05〜25
f=50mm(F2.8),Nikomat FTn
露出20分
103aEフィルム、R60フィルター
D19(22゜C 5分現像)
聖高原にて