眼の明るさ適応力





人間の眼の明るさの変化に対する適応力はすごい。左の明るさの範囲に適応して、物を見ることができる。これには、2つの視細胞が関係している。通常、昼間によく働き細かなところまで良く見ることができる「錘体」。そして薄暗いところで威力を発揮する感度抜群の「桿体」。
この2つの連携プレイで、これだけの明るさを、
カバーしている。これも、人間の進化の過程で獲得してきたものに違いない。
しかし、急激な明るさの変化に対しては、弱い。映画館から急に屋外に出ると、まぶしくて少しの間、適応できない時間がある。逆の場合も同様だ。そうは言うものの、これだけの光の変化に対応していける眼の能力には拍手を送りたい。
この能力を獲得するためには、眼の対数的な応答が関係しているようだ。明るさが100倍違ったときでも、100の対数である2しか変化を感じないようにできている。
この辺の応用はすでに電気回路の中にもある。対数アンプ(ログアンプ)と言われているものがそれにあたる。
生物から学ぶことはまだまだいっぱいある。眼はその中のひとつにすぎない。


眼の明るさ適応力に関係しているのに、瞳孔の大きさ変化も重要だ。右表のように、外界の明るさに応じて瞳孔直径が変化して眼に入る光量を調節している。

外界の明るさ(ルクス) 瞳孔直径(mm)
0.01 7.0
1.0 6.0
100.0 3.0
10000.0 2.1


光学用語辞典
 
 ●眼、その他光学に関係する言葉を説明しています。