天体観測は星座から




                                          by Akira S.

 星に興味を持ち始めて最初にとまどうのが星座ではないでしょうか。ギリシャの神話物語を興味深々
で読み終えて、「さあ、外で実際に星座を見てみようか」と考えてみたものの、わかっていたつもりの星
座がいっこうに探せないといった話をよく耳にします。
これはなぜでしょう。
 本では、狭い範囲に星座図が書き込まれていますが、これがまず錯覚の元だと思います。
「あそこに星がS字状に大きく並んでいるのがわかりますか?」とサーチライトを使って説明すると、「あん
なに大きかったんですか。もっと小さいものと思っていました」という反応がかなりあります。そんな訳で
まず星座の大きさの感覚を得ることが観測の基本になると思います。

星座の大きさの感覚をつかむ
 何か一つの星座をまず覚えることが基本です。
知らない星座を探すときに、この星座の大きさが他の星座をさがすときに役立ちます。
これは、野鳥観察のときに、すずめ、むくどり、はと、カラスなどが鳥を見分けるときの判断として使われ
るのと似ています。

北斗七星とカシオペアが基本
 星座の大きさの目安として、最適な
星の並びが二つあります。
一つは「カシオペア座」のWの並び。
もう一つはおおぐま座の「北斗七星
の並びです。この二つさえ覚えておけ
ばどの季節でも星座の大きさの感覚が
得られます。

方角を知る
北斗七星とカシオペアが大きさの基準
星座とすれば、「北極星」が方角の基
準になります。
北極星で北の方角が分かるからです。
北極星は北斗七星かカシオペアがわか
れば、すぐに探せます。
季節によっては、片方の星座が地平線
に一部が隠れて見えないときがありま
す。
そんなわけで二つを覚えておくと便利で
す。また星座を探すのに、「星座早見
」があると便利です。
   
 【星座早見盤
時刻と日付を合わせるだけで星座の見える方向が一目でわかります。
ただ、星座早見盤には、惑星の位置は載っていません。金星、火星、木星、土星などは、明るいので、
星座の形を変えてしまいます。よく見比べて、惑星かどうか確かめてください。

明るい星から見つけよう
 星座を見つけるコツがもう一つあります。
 それは北斗七星やカシオペア座が分かったら、これらの星を使って別の明るい星を見つけることです。
例えば、北斗七星の柄のカーブを延長してアークツルスやスピカを見つける「春の大曲線」などはその
よい例です。いもづる式にどんどん星座が増えていくはずです。
 1等星と言われているものはせいぜい20個程度ですから、まず明るい星を見つけることから始めれば
いいでしょう。後は、星の並びからその周りにある2等星、3等星というように、明るい星を目当てに形を
作っていけるはずです。


東京から見える1等星
シリウス おおいぬ座α −1.48等
                  天球儀
カノープス りゅうこつ座α −0.86等
ベガ こと座α  0.14等
カペラ ぎょしゃ座α  0.21等
アルクトウルス うしかい座α  0.24等
リゲル オリオン座β  0.34等
プロキオン こいぬ座α  0.48等
アルタイル わし座α  0.89等
ベテルギウス オリオン座α 0.1〜1.2等
アルデバラン おうし座α  1.06等
ポルックス ふたご座β  1.21等
スピカ おとめ座α  1.21等
アンタレス さそり座α  1.22等
フォーマルハウト みなみのうお座α  1.29等
デネブ はくちょう座α  1.33等
レグルス しし座α  1.34等