便利な生活?



最近、冷蔵庫が壊れた。それも何の前触れもなく、冷凍庫の氷は解けているし、冷蔵庫の温度も冷たくならない。こうなるといつもの生活がパニックに陥る。冷凍食品は解凍していくし、生ものはちょっと怪しくなる。近所の方にお願いして冷凍食品は預かっていただいて何とかなったが・・・。
こういう状況に追い込まれると、今の生活スタイルって本当に便利なの?と疑問が出てくる。
自分の子供のころを思い出すと、食材は毎日近くのお店に買いに行っていたと思う。もちろん家には冷蔵庫など無い時代だ。肉屋さんに揚げたてのコロッケを買いに行ったり、魚屋さんにさんまを買いに行ったり、その日の食材を毎日毎日買いに行っていたのだ。一週間分の食料を買いだめしておくとうようなバカな真似はしていなかった。それだから却って新鮮な野菜や肉などを食べることができたのだとも思う。毎日買い物に行くからお店との近所付き合いもあったのだ。それが今はスーパーあるいは生活クラブなどで一週間分の食料を買い溜めして、それを冷蔵庫に保管しておくのが普通になっている。冷蔵庫が普及しなかったら、生活クラブもなかったのではないかと思えるほどだ。
今、冷蔵庫が壊れてみると、それなりの過ごし方を否応なしに考えざるを得ない。
この場を凌ぐ方法を最初に思いついたのは、冷やすのが必要な食品は、持ち運びできる保冷庫にスーパーで買ってきた氷を食品と一緒にビニール袋に詰めて冷やす手段だ。これはそんなに冷やす必要がないものであれば十分間に合う。しかし冷凍食品に対してはちょっと無理。そこでこれらの冷凍食品については新しい冷蔵庫が届くまで(やっぱり冷蔵庫は買うはめになるのだが)近所の方に預かってもらうということになってしまう。
今、考えると、ぼくの子供の頃、冷凍食品なんて無かったなと思う。生活スタイルの変化、冷蔵庫の普及などの現象が支えになって冷凍食品という分野が生まれたのだろう。
今の状況をもっと突き詰めて考えれば、電気が無くなったら、人々はどんな生活になるのだろうかということだ。そういう状況は、地震などの自然災害があった地域の方々は身を持って経験していることなのだろうが。便利さに慣れてしまうと以前の生活に戻ることがいかに難しいことか。
そして今、便利な生活というのは、不便な生活と紙一重で背中合わせなんだなと思ったのでした。
2005/6/17 記