はじめに
●一昔前までは、癌は不治の病で怖いものと思われていましたが、今では治療できる病気と捉えられるように意識が変わってきています。昔の医者は、患者が癌であることがわかると、本人には内緒で家族にそれを告げていました。家族はそれを告げられると、どうしようもなくうろたえたものです。内緒にしておかなければならないという家族に与えるプレッシャーも大きかったと思います。しかし最近は本人の前で、あなたは癌ですが、こういう治療が必要ですとはっきりと告知するのがほとんどだと思います。本人はこれを聞いて、確かにショックを受けますが、実は僕自身も夢の中にいるような気分で聞いていたのを思い出します。しかしこのことを通して本人と家族の意思が一緒になり、癌に立ち向かって行こうとする気力が生まれてきたのも事実でした。ここに集めた文は現在も続いているぼくの癌治療に関係したものです。現在のぼくの心境としては、癌をやっつけるというか、癌とともに歩んでいく姿勢をとることが一番いいのではないかと考えています。抗癌剤は癌を拡大しないように抑えるもので、うまく働けば撲滅することができると考えた方はいいと思っています。早期発見で、治療が早いほど癌撲滅のチャンスが高いわけですから、ガンの定期健診を受けるというのは懸命な方法だと思います。自分だけは癌になんかならないと誰しも思いたいものですが、これが早期発見を遅らせる要因になっていると思うのです。ぼくが今考えていることは「癌とはうまくつきあっていこう!」ということです。 |