【 光学一般 】


  ●        light

  ●光子       photon

  ●可視光線   visible radiation,light
           一般に可視光線の短波長限界は、360〜400nm、
           長波長限界は760〜830nmにある。

  ●紫外線    ultraviolet radiation

  ●赤外線    infrared radiation

  ●白色光    white light
           肉眼で白色に見える放射。通常連続スペクトルから成る。

  ●熱放射    thermal radiation
           物質の粒子(原子、分子、イオンなど)の熱擾乱の結果
           生じる放射。
  照明      illumination
           照明の用語に「光束、光度、照度、輝度」などがある。
  ●単色光    monochromatic radiation
           単一波長の光又は一つの波長の光で代表される程度に狭
           い波長範囲に含まれる光。

  ●ルミネセンス luminescence
           熱放射以外の放射で、物質が放射、電気などのエネルギー
           吸収して励起状態となった後に、吸収したエネルギーを
           放射の形で放出する現象。蛍光、りん光などがある。

  ●蛍光     fluorescence
           励起後約0.00000001秒以内しか持続しないルミネセンス。

  ●りん光    phosphorescence
           励起後約0.00000001秒以上持続するルミネセンス。

  ●光路長    optical path length
           屈折率nの媒質において、光の進む道筋の長さlとその
           道筋に沿った媒質の屈折率nとの積。

  ●光路差    optical path difference
           二つの光路長の差。

  ●光線速度   ray velocity
           結晶光学において光線に沿って光のエネルギーが伝わる速度。

  ●入射面    plane of incidence
           光が媒質の境界面に入射するとき、入射光線と、入射点にお
           ける境界面の法線とを含む平面。

  ●入射角    angle of incidence
           光が媒質の境界面に入射するとき、入射光線が入射点におけ
           る境界面の法線となす角(鋭角)。

  ●反射     reflection
           光が媒質の境界面に入射するとき、その単色光成分の振動数
           を変えずに、光が入射側に戻る現象。

  ●反射角    angle of reflection
           光が媒質の境界面に入射するとき、反射光線が境界面の法線
           となす角(鋭角)。

  ●反射率    reflectance
           反射光の放射束又は光束Φrと入射光の放射束又は光Φiと
           の比(Φr/Φi)。量記号ρで表す。一般に百分率で表す。
        

  【金属面の反射率】(%)
  550nm 600nm 650nm 700nm
アルミニウム 91.6 91.1 90.3 89.9
97.9 98.1 98.3 98.5
81.7 91.9 95.5 97.0
66.9 93.3 96.6 97.5
ロジウム 78.0 79.1 79.9 80.4

  【光の反射率】
 
        入射光の大きさに対する反射光の相対的な大きさは、光線が平らな表
         面に0゜で入射されると、

          (1ーP)/(1+P)

         ここで、Pは、二つの物質の屈折率の比(n1/n2)です。
         光の強度は、この二乗で表せます。
         (例)n1=1  n2=1.5 の場合
            P=1/1.5
            反射光の強度は、入射光の約4%になります。

   

  ●振幅反射率  amplitude reflectance
           射光の振幅(Ar)と入射光の振幅(Ai)との比。
           (Ar/Ai)

  ●全反射    total reflection
           屈折率の大きい媒質から屈折率の小さい媒質へ光が入射する
           とき、特定の角以上の入射角で、入射光のエネルギーがすべ
           て反射される現象。

  ●臨界角    critical angle(of incidence)
           屈折率の大きな媒質から屈折率の小さい媒質へ光が入射する
           とき、全反射を起こす入射角の最小値。

  ●屈折     refraction
           光が光学的に不均質な媒質中、又は異種の媒質間の境界面に
           入射するとき、位相速度の変化に応じて伝搬方向が変わる現
           象。

  ●屈折角    angle of refraction
           光が媒質の境界面に入射するとき、屈折後の光線(異方性媒
           質では波面の法線)が入射点における境界面の法線となす角。
           (鋭角)

  ●屈折率    refractive index
           真空中の光の位相速度と媒質中の光の位相速度との比。
           量記号nで表す。
           工業的には空気中の光の位相速度と媒質中の光の位相速度と
           の比を用いることが多い。

     【スペクトル波長】
       水素
         Hα=656.285nm
         Hβ=656.273nm
         Hγ=486.133nm
         Hδ=410.174nm
       ナトリウム
         D1=589.592nm
         D2=588.995nm

      【液体の屈折率】(ナトリウムD線 589.3nm に対して)
         水=1.3330
         アニリン=1.586
         エチルアルコール=1.3618
         グリセリン=1.4730
         ジエチルエーテル=1.3538
         四塩化炭素=1.4607
         ジヨードメタン=1.737
         セダ油=1.516
         パラフィン油=1.48
         αーブロモナフタリン=1.660
         ベンゼン=1.5012
         メチルアルコール=1.3290

      【光学的等方性個体の屈折率】(ナトリウムD線 589.3nm に対して)
          カナダバルサム=1.542
         塩化銀=2.09
         ゲルマニウム=4.092
         酸化マグネシウム=1.7373
         臭化カリウム=1.5599
         ケイ素=3.448
         閃亜鉛鉱(ZnS)=2.370
         ダイヤモンド=2.4195
         フッ化リチウム(21゜C)=1.3921
         ポリスチレン(15゜C)=1.592
         ポリメタクリル酸メチル=1.491
         ヨウ化カリウム=1.6666
         パイレックス=1.474
         BK7=1.5168

     【一軸性結晶の屈折率】
 
                     常光線    異常光線
         ウルツ鉱(ZnS)    2.356     2.378
         金紅石(TiO2)    2.616     2.903
         綱玉(サファイヤ)   1.768     1.760
         氷(0゜C)        1.309     1.313
         赤鉄鉱(670.8nm)  2.940     3.220
         チリ硝石(NaNO3) 1.5854     1.3369
         電気石         1.669     1.638
         硫化カドミウム     2.506     2.529


  ●光線     ray of light
           幾何光学で、光のエネルギーの伝搬経路を表す線。

  ●光軸     optical axis
           (1)光学系の光源、レンズ、絞りなどの中心を連ねる直線。
           (2)光学系を構成する屈折曲面、反射曲面の曲率中心を連
              ねる直線。

  ●正立像    erect image

  ●倒立像    inverted image

  ●共役     conjugate
           光学系における物体と像との関係。

  ●近軸光線   paraxial ray
           光軸の近くを通り、かつ光軸に対して小さい傾きをなす光線。

  ●焦点     focal point
           光学系において、無限遠物点及び無限遠像点に対する共役点。
           光軸上の焦点を軸上焦点、光軸外の焦点を軸外焦点という。

  ●近軸焦点   paraxial foci
           近軸光線による焦点。

  ●焦点距離   focal length
           光学系の像主点から像焦点までの距離。光の進行方向に沿って
           測る場合を正とする。像焦点距離ともいう。

  ●物体焦点   object focal point
           光学系の物体空間における軸上焦点。前側焦点ともいう。

  ●像焦点    image focal point
           光学系の像空間における軸上焦点。後側焦点ともいう。

  ●屈折力    refracting power
           像空間の媒質の屈折率を、屈折面又はレンズの焦点距離で割っ
           た値。

  ●主点     principal points
           光学系において、横倍率が+1になる光軸上の共役点。
           物体空間における主点を物体焦点といい、像空間における主点
           を像主点という。

  ●主平面    principal planes
           主点において光軸に垂直な平面。

  ●節点     nodal points
          光学系において角倍率が+1になる光軸上の共役点。

  ●節平面    nodal planes
           節点において光軸に垂直な平面。

  ●倍率 magnification
           光学系によって生じる像の大きさと、物体の大きさとの比。
           これを、横倍率といい、ほかに縦倍率及び角倍率がある。

  ●縦倍率    longitudinal magnification
           光軸上における小線分の像と、それに共役な物体の小線分と
           の比。

  ●角倍率    angular magnification
           光軸上の像点を通る光線が、光軸となす小さな角と、物点を
           通るそれに共役な光線が、光軸となす小さい角との比。

  ●光線束    bundle of rays , pencil of rays
           共通な直交曲面をもつ光線群。

  ●平行光線束  parallel pencil of rays
           平行な光線群からなる光線束。

  ●共心光線束  homocentric pencil of rays
           一点を通過する光線束。

  ●収束光線束  convergent pencil of rays
           一点に向かって収束する光線束。

  ●発散光線束  divergent pencil of rays
           一点から発散する光線束。

  ●光線追跡   ray tracing
           光学系を通過する光線の状態を、幾何光学的に計算する事

  ●正反射    regular reflection
           鏡面におけるように、巨視的にみて反射の法則に従う光の
           反射。

  ●正透過    regular transmission
           巨視的にみて屈折の法則に従う光の透過。

  ●拡散反射   diffuse reflection
           巨視的にみて反射の法則と無関係に多くの方向に光を拡散
           する反射。

  ●拡散透過   diffuse transmission
           巨視的にみて屈折の法則と無関係に多くの方向に光を拡散
           する透過。