 |
カメラや望遠鏡に使われている光学ガラスにはいろいろな種類がある。それを分類するのに良く使われるのが上の図だ。縦軸が屈折率、横軸がアッベ数（分散の逆数）。屈折率が大きなレンズほど、光を強く曲げることができる。また、アッベ数が大きなものほど、色の散らばり具合（分散という）が小さい。レンズ設計は一般的には、これらの性質を利用して、ガラスを組み合わせてシャープな光学系を作ることになる。左下にあるホタル石、これはガラスではなくて結晶であるが、分散が非常に小さいので色のにじみの少ないレンズ系を設計するときに用いる。同じようにFKシリーズは通称EDガラスと言われているものでこれも同じような使い方をする。これらのガラスを使うといい設計はできるが、問題は値段が高いことだ。通常のレンズの３倍〜5倍くらいの値段がする。目的に応じてこれらの高価なガラスが使われる。良くアクロマートレンズと言われるものがあるが、通常２枚のレンズで構成されている。クラウンガラスで作られた凸レンズとフリントガラスで作られた凹レンズでできている。クラウンとフリントの区別はアッベ数が60のところで分られている。アクロマートは普通、赤と青の光が一点に集まるように設計されている。他の色についてはあまり考慮されていないから、黄色い縁取りなどが見えたりする。３色について色消しをしたものはアポクロマートと言って色のにじみがぐっと少なくなる。ホタル石やEDガラスを用いたものなどがこの中に入る。 |
