ヒトリシズカ
●ひとりしずか。別名を「吉野静」という。静御前が、吉野山で舞ったその美しさを この花に託したものという。山野の木陰に群生するが、花穂が1本、葉の間から 上方に伸びて、白い小さな花をつける。決して目立つ花ではないが、義経との別 れ場面を想像しながら眺めていると、ふと昔の世界に引き込まれていく気がする。 これと似ているものに、「ふたりしずか」がある。こちらは花穂が2本でている。 お能に「二人静」というものがある。これらに造詣が深い人が、味わい深い名前を 考えたのかもしれない。 二人静の場面 早春の奥武蔵や秩父の山間を歩いていると、必ずといっていいほど、出会う機会 が多い花のひとつだ。花穂が何本でているかな!と捜しながら歩いていると楽し くなってくる。
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2003/05/18 長野県白馬にて(撮影:加藤 渉) |