池の平湿原の植物
●梅雨の晴れ間を利用して、長野県の池の平湿原に行ってきた。池の平湿原は数万年前の三方ヶ峰火山の火口原に広がる高層湿原。以前よりクマザサが全面を覆うようになった。湿原に生える植物は枯れその堆積物をためていく。湿原はいつか湿原ではなくなり異なった植物相で満たされていく。それが湿原が持つ定めである。その変化を押しとどめるのではなく変化を変化として受け止める必要があるだろう。 遊歩道は地元の人たちによって整備され歩きやすくなっている。今回は湿原の周りを取り囲む山の方を中心に植物を見て回った。駐車場から右に折れて登り始める。すでにイワカガミが至るところに咲いている。雷の丘、雲上の丘、ピグミーの森を経て見晴岳(2095m)で昼食をとる。湯の丸山(2103m)、烏帽子岳(2066m)、浅間山(2560m)の頂上などが見渡せる。暑くも無くハイキングには最高の日和だ。三方ヶ峰(2040m)のコマクサ群生地ではコマクサが咲き始めていた。変化に飛んだ起伏を4時間くらいかけてゆっくりと歩く。上から見渡す湿原は鏡池を残してあとはクマザサで覆われている。これからの季節、ここはニッコウキスゲ、アヤメ、ヤナギランの花々で飾られるだろう。6月の季節にはこれらの植物はまだ花をつけていない。去年の種子を抱えたニッコウキスゲの枯れ穂が至るところに見える。木々の隙間を埋めるようにイワカガミが群生していた。この時期、池の平を訪れるのは初めてであるが、自然が織り成す箱庭的な風景のなかにピンクの花も溶け込んで自らの生を楽しんでいるようだった。
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コケモモ(ツツジ科) |
コマクサ(ケシ科) |
ミネズオウ(ツツジ科) |
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ミヤマエンレイソウ(ユリ科) |
ミツバオウレン(キンポウゲ科) |
ミヤマハタザオ(アブラナ科) |
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オオカメノキ(スイカズラ科) |
ズミ(バラ科) |
ショウジョウバカマ(ユリ科) |
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タケシマラン(ユリ科) |
ツバメオモト(ユリ科) |
ツマトリソウ(サクラソウ科) |
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コセイタカスギゴケ(スギゴケ科) |
ツガザクラ(ツツジ科) | ハクサンイチゲ(キンポウゲ科) |
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2006/6/17 池の平湿原にて |