朗読ライブ



 今日は梅雨の晴れ間、それも昼間は30度近くまで上がり、夏の陽気でした。体調もいくらか回復してきたため、思い切って遠出をしてきました。
 石井和子さんの朗読ライブを聴くのは初めてです。賢治の童話という題材とゲストの佐藤GWAN博さんに久しぶりに会いたいなという思いからでした。賢治の思想には仏教の影響が色濃く出ていますが、「よだかの星」はそのひとつと言えます。黙読と声に出したものを聴くのとはよほど違いがあります。声に出されたものを聴くということは、もともと持っていた文字の力をさらに引き出すことに通じると思います。賢治は音の響きを大事に考えていたからです。
 「水仙月の四日」では、気象予報士でもある石井さんの前説があって、この物語が東北地方の春一番を題材にしたものだということ、そして賢治が深い気象知識を持っていたことを知ることができました。賢治は農業指導などもしていたので、気象関係の知識が豊富だったのも頷けます。賢治の天文に対する知識はよく知られていますが、気象という観点から賢治を読み解くというは初めてだったので、新鮮な驚きでした。源氏物語を気象という観点から読み解く「平安の気象予報士紫式部」もなかなかの力作で楽しませてくれます。
 二つの朗読の間のGWANさんの音楽とトークも素敵で久しぶりの再会でした。GWANさんの朗読を聴くのは初めてだったので、これも新しい発見をした思いです。GWANさんご夫妻の話を合間に聴くこともできて楽しいひと時を過ごすことができました。今日は三人からいっぱい力をもらって帰ってきました。

 記:2008/6/6