真空蒸着



真空蒸着の工程を見るために会社を訪問し、特別に見せていただきました。望遠鏡の鏡はアルミ蒸着が行なわれています。レンズであれば表面のコーティングも行なえます。その一端を紹介したいと思います。

 容器の中には洗浄したガラス(主鏡)を入れてあります。蓋を閉め、まず中の空気や水蒸気を抜く作業から始まります。1時間以上かけて0.00001Torr以下の真空度にする必要があります。そこからアルミ蒸着が始ります。真空釜の中には蒸着源になるアルミのペレットや膜の強度を強くする二酸化シリコンの結晶が入れてあって、そこに電子線を当てて溶かし蒸発源とします。これがうまく溶けていないと鏡に塊が付いたり泡が破裂したようなものができたりします。この辺の見極めが技術者の腕の見せ所と言えそうです。蒸着源は下で、上方に主鏡などを下向きに並べて蒸着します。

蒸着釜とそれを制御する装置

蒸着釜に入れる前の洗浄済みの20cm主鏡ガラス
(下が蒸着する面)

この中に左の主鏡を入れます。
この装置では20cm主鏡が6枚入ります。

蒸着源とそれを制御するシャッター

蒸着源(アルミと二酸化シリコン)

蒸着終了後は中の清掃をします

小型レンズの場合は、こんな形に並べて釜に入れます
記:2007/7/14