木星と土星の観測 

 木星の表面は、望遠鏡で見ると、何本かの縞模様が見えます。まっすぐな一様な線ではなく、よく見ると縞のなかにも濃淡の変化が見えます。
初めての方は見にくいかもしれませんが、辛抱強く毎日見るようにしてください。
スケッチが一番効果的です。ただ漠然と見ているときよりも、よく見えてくるようになります。いままでは直線的にしか見えなかった縞のなかに、微妙に、変化してゆく姿が見えるようになったら大成功です。目がしだいに慣れてきた証拠です。目にもある程度の訓練が必要です。惑星を見るときは、できるだけ高い倍率で見るようにしてください。
    木星

模様も見やすくなります。倍率の目安は口径(ミリ)の2〜2.5倍くらいです。100ミリの望遠鏡では、200〜250倍といったところです。これはあくまでも目安であって、最適倍率はシーイングの良し悪しで、高くも低くもなります。要は、のぞいてみて見やすい倍率にすることです。
 木星を初めて観測して、その周りを回っている4つの衛星の動きから、地動説を確信したというガリレオ・ガリレイの話は、実際に望遠鏡で眺めてみると実感できます。
そこで、ガリレオの気分になるために、四大衛星の動きを見てみることにしましょう。
木星の向こう側に隠れたり、前側を通るときに黒い点として見えたりするのが分かると思います。ガリレオ衛星がときには三つしか見えなかったり、二つしか見えなかったりするのをこれで理解できるでしょう。
小さな望遠鏡でも、土星に向けて、50倍から100倍くらいの倍率をかけると視野のなかに美しいリングを持った姿が浮かび上がってきます。土星の表面は木星ほど、はっきりした模様は見えませんが、時々白斑が現れることもあるため、注意して見ておきましょう。
土星土星