国家の品格



はっきりとものを言う人だと思った。藤原正彦さんは数学者である。新田次郎さんの次男でもある。世の中、論理や合理性が凌駕している。それに対抗して藤原さんはそれに加えて情緒と形を表に出す。論理の出発点、合理性、グローバリズム、主権在民、英語教育などに切り込む。こういうと右に偏った本というイメージが付きまとうがそうではない。さらに本の題名からしてそんな感じを持ってしまいがちだ。200万部以上の売り上げを誇ったベストセラーだけのことはある。文が簡潔で読み易く、一日で読み通してしまった。

目次
第1章 近代的合理精神の限界
第2章 「論理」だけでは世界が破綻する
第3章 自由、平等、民主主義を疑う
第4章 「情緒」と「形」の国、日本
第5章 「武士道精神」の復活を
第6章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
第7章 国家の品格

出版社のコメント
日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的日本論。
記:2007/2/4