光線追跡式



レンズや鏡に入射した光がどういうルートを辿って最終面から出てきてどこに光が集まるかを計算するのが光線追跡式と言われるものだ。ここでは話を簡単にするために、光軸を含む面での追跡を考えてみることにする。下図及び下記の公式で光線追跡をすることができる。このくらいの式であれば関数電卓でも計算していける。
私が作ったレンズ設計ソフト「OPT98」は光軸を含まない一般の光線及び非球面を扱えるもので式はもう少し複雑になるが、基本的考え方は変わらない。面での交点を求め、屈折の法則を用いて面通過後の光線の行方を計算する。この繰り返しをすれば複数面の光学系の追跡ができることになる。
レンズ設計は多くの光線を追跡して収差図やスポットダイアグラムなどを表しているが、これらの計算をするためにはプログラムを組んだ方が手間を省くことができる。
レンズ設計というのは、望遠鏡の対物レンズであれば無限遠からの光線をいかに一点に集めることができるかにかかっている。そのため焦点での光の集まり具合を計算すればレンズの良し悪しが分かることになる。それを直感的に分かるように表したものがスポットダイアグラムと言われるものだ。
●光線追跡図
【 球面による屈折 】

    (1)

     (2)屈折の法則

      (3)

     (4)

      (5)  


スポットダイグラム

●次の面への移行

 【 次の面への移行ほか 】

  ●k面からk+1面への移行公式

              (6)   

                  (7)


  ●PA
チェック公式

        (8)

     (9)
 (9)式で求めた値が次のLの値になり、再び(1)
 からこの計算を繰り返していくことになる

●入射光が平行光線の場合

 ●第1面に平行光線が入射するときには
 L=∞、U=0となるので、(1)式は次のよ
 うになる。

  
【 記 2006/3/23 】