空間感覚 2



 下の写真を見ていただきたい。去年話題になったホームズ彗星の写真だ。ここで問題にしたいのは彗星の大きさはどのくらいなのかということ。写真の左には同じ日に同じ望遠鏡で同倍率で写した月を載せてある。彗星の見かけの大きさが月よりも大きいことは一目でわかる。それでは月と同じ大きさかというとそうではない。天体は丸天井に張り付いているわけではない。月と彗星が同じ距離にあれば、彗星は月と比べて2倍近い大きさを持っていることになる。しかし宇宙の奥行きを考える必要がある。このとき彗星は地球から約2天文単位、すなわち、太陽までの距離に換算して2倍遠いところにあった(図1参照)。ここで思い出してほしい。月と太陽はほぼ同じ大きさに見えるが、太陽は月までの距離の約400倍遠いところにある。同じ大きさに見えていても太陽は月よりも400倍大きいということだ(図2参照)。これらの背景を勘案すると、彗星の大きさは実に太陽の4倍(見かけの大きさ距離2=4倍)、月の1600倍(4×400)もの広がりを持っていることがわかる。途方もない彗星の大きさが実感できないだろうか?
 
 
図1:天体の位置関係 (by Stellanavigator8)
 
図2:地球から見た月と太陽までの距離と大きさ
 記:2008/7/26