レンズ基本


レンズの働きについては、小学校の理科の時間に習っていると思うが、いまいち良く解らないという人が多い。基本的なことは反射と屈折の法則しかないのに・・・。すべてこれの応用と考えていい。
レンズ(鏡)の働きとしては、光の二つの性質を利用している。レンズ設計という一見難しそうなことも、この性質を利用したものだ。
1.反射の法則
2.屈折の法則

1.反射の法則
鏡の面は平らでもデコボコでも関係ない。光線という1本の線を考えたときに反射面でどういう風に反射するかはこの反射の法則で決まってしまう。勝手な向きには行きませんよ!というのがこの法則の意味だ。入射角とか反射角という専門用語は難しいのではなくて、単に共通語を作っているだけの話だ。りんごやみかんと同じと思えばいい。

鏡の面で反射するとき、入射角(a)と反射角(b)は等しい
 a=b

2.屈折の法則
(スネルの法則)
違う物質のものが接しているところに光が入ったらどんな風に曲げられるかを表したのがこの法則だ。
ここでは三角関数(Sin、Cos、Tan)という数学が好きになるかきらいになるかの分かれ目になるものが出てくるが単なる記号と思えばいい。お風呂に入ったときに、水の中の自分の足や手を見てみるといい。浮き上がっているように見える。これがこの法則で言おうとしていることだ。屈折率は、曲げる力の程度と考えればいいだろう。屈折率の差が大きいほど大きく曲がる。

 物質の異なる境界面に光が入射したとき、入射角(a)と屈折角(b)の間に次の関係がある。
  n1・sin a=n2・sin b  (n1,n2はそれぞれの物質の屈折率)


光が通過する面が二つになるとレンズが出来あがる。それぞれの面で屈折の法則が成り立っている。

屈折の基本1(凸レンズは、光を集める性質がある)

レンズの屈折率が低いと、曲げられ方が少ない。

レンズの屈折率が高いと、より曲げられる。

屈折の基本2(凹レンズは、光を発散する、広げる性質がある)

レンズの屈折率が低いと、曲げられ方が少ない。

レンズの屈折率が高いと、より曲げられる。

屈折の基本3(平行平面は、方向をシフトする)
 よこすべりする性質がある。

鏡でも凹面と凸面では、面全体としての働きは違うが、光線1本1本をみたときには反射の法則が成り立っていることがわかる。

反射の基本1(凹面鏡は光を集める。凸レンズと同じ働き)

反射の基本2(凸面鏡は光を発散する。凹レンズと同じ働き)

反射の基本3(平面鏡は、方向を変化させる。)
レンズ設計は、これらの性質を利用して、レンズや鏡を組み合わせて、目的の光学系を作りあげること。 設計に慣れるためには多くの例題を見てみることと、自分で光線の振る舞いをシミュレーションしてみて、 勘を磨くことが大切だ。