地上での火星観測
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火星の視直径の変化(各27日0時の図) 地球は濃い大気に覆われているので、大気の海の底から星々を眺めることになる。そのため地上の望遠鏡での観測には探査機とは違った苦労がいる。そのいくつかを紹介しよう。最接近する8月27日の前後数ヶ月が観測に適している。 1.倍率は150倍以上、口径は100mm以上が有利 火星は、表面輝度が高いために、できるだけ高倍率にして、輝度を下げてやらないと表面の模様が見えにくい。それと見えの良し悪しは口径の大小に左右される。 2.シーイングの良いときに観測する 空気のゆれが激しいときには、像も大きくゆらされてしまうために、表面の模様が見えにくい。ゆれの少ないときをねらって観測するようにする。星のまたたきが多いときはシーイングは悪い。惑星観測はむしろ都会の方が適しているようにも思う。空気が淀んでいる分、ゆれも少ないからだ。天体観測が都会では無理というのは、惑星と月の場合にはあてはまらない。 3.観測する時期 火星表面の模様は、濃い部分と薄い部分がある。火星面経度が0度〜80度、200度〜300度の範囲が比較的濃い部分なので、こういうときは見ごたえがある。火星の自転周期が24時間40分くらいなので、毎日同じ時間に見ていると、約9度づつ見える位置が変化していく。一度火星を見て模様が見えないからと言ってあきらめないことが大切だ。良く見えないのは、たまたま模様の薄い部分だったかもしれないし、倍率が足らなかったのかもしれない。何度も繰り返して観測することが大切だ。 4.接近でもいろいろある 2年2ヶ月ごとの接近でも、その距離が異なるために、下図のように大きさも明るさも大きく違っている。
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