宇宙からの贈り物
(Copyrighted by K.Kurita) |
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●中央アフリカ東部にあるタンザニア。ここに行っている友人から興味ある写真を送ってきた。ザンビアと接する辺りに位置するムベヤの西約70kmの地点に展示されている隕石。重さは12トン。こんなに重いものが落ちたときの振動はものすごかった違いない。地中深くに埋まっていたものを掘り起こして現在の形にしたのだろう。隕石の色を見るかぎり鉄の赤錆のようなものも見えている。金属質のものが多く含まれているのだろう。展示されている場所が落ちた場所とすれば、この写真で見るかぎり土地がくぼんでいるようにも思える。隕石は月のクレーターの成因にもなっている。アメリカアリゾナにあるバリンジャー隕石孔は直径1200m、深さ190mのおわん形をしている。まさに月のクレーターそっくりの形だ。そんなことを考えていると、欲を言えば少し離れた位置からのこの土地の全体写真が欲しいところだった。単独の隕石で最大のものはアフリカ南西のナミブ砂漠に今でも居座っている60トンのものだ。 ●ちなみに隕石はその化学組成から、石質隕石、石鉄隕石、鉄隕石に分けられている。石質隕石は通常の岩石のような珪酸塩鉱物からできている。鉄隕石は鉄を主成分とした鉄・ニッケル合金。石鉄隕石はこれらの中間とみればいい。 ●1年間に地球全体に落下する隕石は約500個と見積もられている。これが多いか少ないかは意見が分かれる所ではあるが・・・。隕石は地球に落下する途中、大気との摩擦で表面数mmは黒く焼きただれている。隕石研究には、落ちたばかりの新しいものが役に立つ。時間経過と供に風化して元の状態を維持することが難しくなるからだ。その点からすれば、ムベアの隕石のように屋外に置いておくのはあまりいいこととは言えないが、この隕石が落下してからすでに数1000年が過ぎているらしいので、記念碑的な展示も致し方ないのかもしれない。 ●隕石は主に火星と木星の間に広がる小惑星帯からの使者であると言われている。太陽系が作られた約46億年前の記憶を残している貴重な資料なのである。 |
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●追伸: 栗田さんから詳しい情報を送ってきてくれたので、掲載しておきます。
*外に展示してあるために、ここから切り欠いて持っていくやからもいたらしい。 しかし相手は非常に固いものなので、5インチ角に切り出すのに10時間も要したという記録があるそうだ。 |
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2001/3/10 |