南方熊楠



明治時代中頃にイギリスに渡り大英博物館の嘱託になったり、粘菌の研究、熊野の森を守るエコロジー運動など天衣無縫の生涯を過ごした南方熊楠(みなかたくまぐす)の伝記を書いたものはいくつか知られているが、水木しげるの漫画はなかなか良く書けていておもしろい。水木しげると言えば妖怪の世界を描かせたら右に出るものがいない。ゲゲゲの鬼太郎はこどもの頃、夢中で読んだ記憶がある。テレビでのアニメもありました。あの乗りで熊楠の生涯を書いている。そこに猫を登場させて一味違った伝記に仕上げています。
熊楠は民俗学の研究も行なっていたので、柳田国男1875-1962)と親交もあったようで彼に影響を与えている。熊楠は何にでも興味を持ったようで、興味を持つとそれにのめりこむタイプの人間だったようだ。
孫文とも親交があったというから驚きでもある。時代を先取りし過ぎたきらいのある人で、多くの敵を作ったりもした。それでも自分の意思は貫き通した人だった。
現代でもこれほど自由奔放に人生を過ごした人も少ないだろう。まったく魅力に満ちた人である。

   
   ●南方熊楠・・・1867年〜1941年。博物学者、菌類学者、民俗学者
記:2007/6/4