皆既月食 2007/8/28



6年ぶりの皆既月食とあって張り切っていましたが、埼玉では月食が始る前から曇り空で、小雨もパラついていました。稲光もあり、これではだめと観測は諦めました。月食が見えたのは西日本と北海道と思っていたところ、思いがけず小笠原に住んでいる娘からメールが届きました。向こうでは晴れていて、ベランダから月食を見たそうです。娘の旦那がデジカメで写したものが下の写真です。復光した部分は露出オーバーですが欠けている部分は赤みがかっていて、月食特有の色をしているのが分かります。月食は地球が作る影の部分を月が通過することによって起こります。影は丸く、欠け際の曲線に倣って大きな円を描くとそれが地球の影の大きさになります。ですから写真から判断すると、右上方向に地球の影の中心があるのが分かります。それでは影に入っているのになぜ、うっすらと赤く見えているかといえば、太陽からの光が地球の大気で曲げられて月まで届くためです。赤い光ほど大気での散乱や吸収が少ないために赤く見えることになります。また影の中心に近いほど光は来なくなりますから、写真からも分かるように右上に行くほど赤みが暗さを増しています。
さて、次回の皆既月食は3年後の2010年12月21日になります。今度こそ、この眼で見てみたいものです。

21時頃の小笠原・父島での星の見え方( by Stellanavigator 8) と デジカメで撮影した月(右上写真)
【 撮影:小野哲治 】