夫婦50割



映画人口の減少を食い止めようと、ファーストデイ割引、、レディースデイ割引、レイトショー割引、身体障害者割引、高校生友情プライス、60歳以上の人のシニア料金、そして夫婦で一人が50歳以上の場合に適用される夫婦50割と、アイデアを出しています。若年層の獲得には友情プライスが映画の見直しを促す効果はある程度あるようです。レンタルビデオの普及で映画館まで行かなくても見れる昨今であり、ロードショウが終わってあっという間にDVDが発売になるようになると、奇策を思いつかない限り、確かに映画業界が危うくなります。こちらは夫婦50割を大いに利用して、できるだけ映画館の大スクリーンで見るようにしています。真っ暗な中で見る映像は自分ひとりの世界に浸ることができて、自宅で見るのとは一味違うためです。音響効果の違いも映画館で見たいと思うひとつの要因になっています。映像で言えばどういうアングルで、カメラを構え移動させているのかに興味が惹かれます。アンドレイ・タルコフスキーのノスタルジアのようにゆっくりとカメラを移動し続けるあの妙味。黒澤明の執拗なまでの映像美。山田洋次監督が寅さんを撮る時と「武士の一分」を撮る時の撮り方はまったく違うし、ダイハードのようなアクション映画であれば臨場感を出すためにめまぐるしい場面変化を持たせたりします。人間ドラマであればその場の雰囲気と語りを大事にします。大画面で見るとき、そんな監督の想い・人間性をふと考えながら見ています。映画館が好きな一番の理由はこれですね。
記:2007/7/25