無言館を訪ねて |
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無言館 |
●長野県上田市郊外、塩田平はのどかな風景が広がっていた。家族と母をつれて無言館を訪ねた。上から見ると十字形に形作られた建物の中はひっそりとしている。太平洋戦争で散った絵を志していた画学生たちの絵や彫刻が展示されている。日常の家族団欒風景、風景画、妻のデッサン、妹の浴衣姿など、戦争を感じさせる絵はほとんどない。絵は、見る者に多くを語りかけてくる。無言ではない。無言なのは絵を見るわれわれだ。戦争という自分たちにはどうしようもない運命にもてあそばれた若者の目がそこにはあった。生きていれば母や亡き父と同年代の彼らの絵は、同伴した母の目にどう写ったのか。 |
●窪島誠一郎氏によって集められたこれらの絵は、市や国ではない個人の美術館に飾られているのだ。窪島氏が管理している間はこれらの絵は残るだろうがその後はどうなるのか?もっと国や市が前に出なければならないのではないだろうか。近くの信濃デッサン館も窪島氏による美術館である。 |
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●窪島氏による「無言館」の本 「無言館の詩」(講談社)2001/7/1 「無言館ノオト 戦没画学生へのレクイエム」(集英社)2001/7/1 「無言館を訪ねて」(講談社)1999/7/1 「無言館ものがたり」(講談社)1998/12/1 「無言館への旅 戦没画学生巡礼記」(小沢書店)1997/12/1 「無言館」(講談社)1997/8/1 |
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2001/8/9 上田市無言館にて |