撮影:加藤 渉 2002/5/27 18:10頃 自宅から
虹
少女ドロシーやかかし、ブリキの兵隊、臆病なライオンたちが活躍する「オズの魔法つかい」の話は、
みなさんもご存知でしょう。虹というと、まずその話を映画化したときの主題歌「虹の彼方に」を思いだ
してしまいます。
 さて、雨上がりの後、晴れ間が出るときれいな虹が良く見られます。また滝のしぶきが舞上がるとこ
ろでも見ることができますね。簡単に虹を作ることもできます。太陽を背にして霧吹きで吹けば、きれ
いな虹をいつでも作ることができます。 虹は小さな水滴で作られるのです。虹ができる方向は、太陽
とある関係を持っていて、任意の方向にできるというわけではありません。
それでは、そのわけを考えてみましょう。
雨上がりの上空には多くの水滴が残っています。太陽からは多くの光がほとんど平行にやってきます。
一粒の水滴を考えてみましょう。太陽からの光は水滴に屈折して入り込みます。  
一部は水滴の内面に達して、屈折して出て行ってしまいますが、反射する光もあります。       
虹はこの反射して出てくる光に関係しています。下図がちょうど、その時の様子を示しています。
光が出てくる角度が問題なんです。
光が水滴に入る高さによって出てくる角度は違いますが、ここにおもしろい関係があります。出てくる
角度はある角度よりも絶対に大きくならないということです。 
この最大角に近い光は他の光よりも多いため、この角度の光が明るく見えることになります。
この最大角は約42度です。


色によってこの角度が違います。というのも色によって屈折率が違うためです。赤では約42度、紫で
は41度弱です。ですから虹は太陽を中心にした頂角84度(42度の倍)の円錐側面方向に見えるこ
とになります。このことはすでにフランスの哲学者であり数学者であったデカルト(1596〜1650)が
「メテオラ」の中で述べています。また42度よりも小さい角度の光は42度以上の光よりも多く戻って
くるため虹の内側は外側よりも明るく見えます(上の写真)。
ところで第2の虹は見たことがあるでしょうか?
普通見える虹の上の方にやや薄く、虹が見えることがあります。 
色の並びは第1の虹とは逆になっています。これは、水滴の下側面から入り込んだ光が中で2度反射
し上側面から出てくる光によって作られます。この虹の出来る角度は52度です。興味ある方は自分
で確かめてみて下さい。

【虹の語源】
漢字の「虹」の虫辺は蛇を、「工」はつらぬくことで、大空をつらぬく大きなヘビを意味しているという。
英語の「rainbow」は、「rain(雨)」+「bow(弓)」とのこと。