カメラ・オブスクラ



カメラ・オブスクラを用いての「日食観測風景」

カメラ・オブスクラ(Camera Obscura)
ピンホールカメラの原理であるが、16世紀頃考案されたと
言われている。一部屋が大きなボックスカメラみたいなもの
で、上の挿絵は1544年のオランダのフリシウスが日食を
観測したときの様子である。同じように日食や太陽黒点など
の観測に、ティコ・ブラーエ、ケプラー、ファブリキウスなどが
この方法を利用している。
金星や水星の日面通過を観測したり、画家が、ボックス型
のカメラ・オブスクラを用いて絵を描いたという話も伝わって
いる。画家のフェルメールカナレット、ダゲールが風景
画などを描くのにこれを使ったのではないかという学者もいる。
ダゲールは、写真の発明家としての方が知られている。
暗い部屋」という名を持つカメラ・オブスクラは、カメラの前
進であるとも言われている。はじめはレンズなしであったもの
が、レンズを付けたり、ピント合わせ機構を追加したりして、
改良されていった。
----------------------------------------------
この辺の歴史については、下記の本が詳しく、おもしろく
 読める。
      ・「カメラ・オブスクラ年代記
       (ジョン・H・ハモンド著 朝日選書)



origin of images
Ross Woodrow氏によるページで、カメラ・オブスクラや
カメラ・ルシーダ(Camera Lucida)などの記事が掲載
されている。ルシーダの方はオブスクラと違って、明るい
ところで利用できたのが特徴。

  カメラ・ルシーダは絵や製図を描く補助道具として
  使われた。


ろいろなカメラ・オブスクラ
左上:レンズなしの基本形
右上:レンズ付き。
    スクリーンを動かしてピント調節
左下:レンズ付き。床面に投影
右下:レンズ付き。テーブルに投影