【 複眼 】
アブの複眼アブの複眼

昆虫の眼を見ると多くのレンズが集まっているように見える。数100〜数万の小さな眼の集まりを複眼と呼んでいる。複眼にも2種類あって、昼間活躍するアブなどの昆虫は下図左の連立眼という構造をしている。それに対してガなどの夜活躍する夜行性の昆虫などは、重複眼という構造をしている。両方とも一見似ているが、良く見ると大きな違いがある。それは、重複眼の場合にはそれぞれの個眼のまわりにある色素細胞の中の色素顆粒が、昼間は細胞内全体に広がっていてそれぞれの個眼を隔離しているが、夜になると色素顆粒が下部にさがり、細胞が透明になる。そうすると、隣の個眼に入ってきた光も集まるようになり、物が明るく見える。
ちょうど、レンズの口径が大きくなったのと同じ状態になる。連立眼の方は常に色素細胞で隔てられていて個眼のままである。