暗視野照明



顕微鏡で、「背景が真っ暗でその中に物体が明るく浮かび上がって見える」工夫
をしたものがある。暗視野照明と言われるもので、ひとつの例が上の原理を利用して
いる。
回転放物面に磨かれたレンズの焦点(F)に近い側を平面にカットしたもので、側面
をメッキしてある。メッキしてある面だけに光が入るように環状の絞りを置けば、上図
のように、斜めの光だけがFに置かれた物体に当って光って見えるという仕掛けで
ある。パラボロイド(回転放物面)集光器と名づけられている。簡単な仕掛けである
が、物の傷を見つけたり、液体中の浮遊物を見つけたりするのに威力を発揮する。
光の当て方の工夫ひとつで物の見え方が変わるのがおもしろい。ここで環状の絞り
が重要な役目を果たしていることに注目して欲しい。もしこの絞りが無いと背景が明る
くなってしまうからだ。