落書きに思う



最近、私が住んでいる鳩山町に落書きが突如出現した。
ここは、住宅街であり、学校やコンビニ、商店がこじんまりと
まとまったベッドタウンである。出現したのは9月28日夜。
カラースプレーを使っての横暴である。書いた本人はどういう
わけでこんなことをするのだろう。明らかに景観を壊している。
景観を壊すことによって目立つ。目立って皆の注目を得たい。
気分を晴らすためなのか? 理解しがたいところがある。
字をよくよく見てみると、スプレーで書いたとは思えない筆運
びがあり、これだけの字を書くには相当の集中力がいるので
はないだろうか?ただ、内容はいただけない。「殺人鬼」とか
「喧嘩上等」とか付近の住民に不安を抱かせるだけの内容だ。
住民がおびえている姿を想像して楽しんでいるのだろうか?
とにかく、気分が晴れない行為である。    (2000/10/3
スペインの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカ(1898-1936)の詩に
 「スペイン警備隊のロマンセ」というのがある。
 その詩が描く恐怖と今回の行為がだぶって頭の中を回転している。

 馬は黒。
蹄鉄も黒。
マントの上にインクと蝋のしみが光る。
鉛でできた頭蓋骨
彼らに涙はない。
エナメルの革の魂で
街道をやってくる。
猫背で、夜行性で
どこだろうと
繰り出される命令
こまかな砂の恐怖。
勝って気ままに押し通り、
その頭には
かたちを成さない拳銃の
漠たる天文学が秘められている。
----------(略)

ロルカは、スペイン内戦勃発後、38歳で銃殺された伝説の詩人である。