宇宙の隣人を探す

 宇宙は広い。この中で地球だけが生物のいる惑星なのだろうか?
 太陽系外に生命を探すのは、SFから科学的探査の時代に入ってきた。もはや夢物語ではなくて、宇宙の知的生物からの信号を探知しようというSETI(地球外知的生命探査)が世界各地で進行しているのである。

ETIとオズマ計画

アレシボ天文台の300m電波望遠鏡

 19世紀後半から20世紀はじめにかけて、火星に高等生物がいるのではないかという論争が起こった。このときはローエルが火付け役であったが、地球外知的生命探査に科学の口火をきったのは、アメリカの天文学者フランク・ドレークであった。彼は、1960年に、くじら座のタウ星とエリダヌス座のイプシロン星にグリーンバンクの43m電波望遠鏡を向けた。知的生命体からの電波を探す最初の試みを行なったのだ。この2つの星は太陽とほぼ同じ大きさと年齢を持っている。太陽に似ていればひょっとすると地球みたいな惑星があるかもしれないと考えたのだ。この試みは「オズの魔法使い」に登場する不思議の国オズにちなんで「オズマ計画」と呼ばれている。しかし、宇宙からのそれらしい電波を発見することはできなかった。「ETI」すなわち「地球外知的生命」の探査はこのとき始まったのだ。その後、1974年にアメリカのカール・セーガンらによって、星が数10万個球状に集まっている「球状星団M13」に向けてアレシボ天文台からメッセージを送った。
M13球状星団

映画「コンタクト」にも出てきた直径300mのあの電波望遠鏡である。メッセージは1679のパルス信号からなる。その信号を横23縦73のます目に並べると、太陽系の構成や人間、遺伝子DNAのことなどを盛り込んだパターンになるのだ。この電波がM13に届くのは気の遠くなるような2万3500年後のことだという。
M13へのメッセージ

 日本でも、1983年に同じような試みをしている。森本雅樹博士と平林久博士によるもので、1枚の絵が横71×縦71のます目でできた合計13枚の絵を彦星(アルタイル)に向けて発信したのだ。生物の進化、女性の顔なども含まれていたと聞いている。彦星までは、16年の距離なので、M13よりはまだ見込みがあるかもしれない。