簡単な天体写真の写し方 




                                         by Akira S.

 天体写真といっても、スナップ写真と比べて難しいものではありません。ただ、露出時間が一般に長いというのが違う点でしょう。撮影に必要なものは次の通りです。


 1.カメラ(50ミリくらいのレンズ付)
 2.レンズフード(ボール紙で作ってもよい)
 3.レリーズ(ストッパー付のもの)
 4.カメラ三脚

 5.黒く塗ったボール紙(10センチ角位)
 6.フィルム(ISO400〜3200)
 7.時計
 8.記録ノート





 短時間に暗い星まで写すためにフィルムはできるだけ高感度のものを使ってください。まず、フィルムをカメラに入れて三脚に固定します。レンズフードはレンズに露がつくのを防ぐ役目と、周りから余計な光が入らないようにするために必要です。黒いボール紙などで作ったものでも構いません。レリーズは長時間露出をするためにストッパーのついたものを必ず用意してください。
 それでは、実際に星を写して見ましょう。街明かりがない暗い夜空を探すことが成功の第一のカギです。山や海に行ったときには、そうしたチャンスが多くあります。
 三脚をしっかりと大地に固定しましょう。
 レンズの距離目盛は無限大(∞)、絞りは開放から1絞りくらい絞り込みます。カメラの露出目盛はバルブ(B)に合わせます。写したい星座を「星座早見盤」などで調べ、カメラのファインダーをのぞきながら構図を決めます。このとき、ファインダー像は肉眼で見るより暗いですから、明るい1等星や2等星を目安にするといいでしょう。構図が決まったら、レンズの前に黒いボール紙を置いてレリーズでシャッターを切ります。そして、2〜3秒してからボール紙を取り除きます。これは、シャッターぶれを防ぐためです。このときの時刻を記録しておきます。
 時計を見ながら、20〜30秒くらいそのまま露出を続けます。時間がきたら、ボール紙を再びレンズの前に置いてから、レリーズのストッパーを解除します。このとき、露出時間を記録しておきます。 記録は、どんなときでも必ずとるようにしてください。貴重な新星や、流星が写っていないとも限りません。 これで、星座写真が撮れているはずです。現像に出すときは「星の写真です」と一言付け加えておくと、思わぬトラブルを避けることができると思います。固定撮影法というこの方法は、最も簡単に星を撮影する方法ですが、露出時間を長くしてみたり、地上の風景を写し込むなどすると、味わいのある写真を撮影することができます。
露出時間を長くすると、星の軌跡が線になって写ります。これが日周運動の写真です。良く北極星
を中心にした北の空の写真がありますが、こういう仕方で写したものです。もし、赤道儀があれば、これで星を追尾することで、星座写真や星雲星団など、さらに迫力ある写真を写すことができます。追尾撮影をすると、長時間露出しても星は線にならずに点として写ってくれます。さらに光をそれだけフィルム上に蓄積することができるため暗い星まで写すことができます。

日周運動