星雲、星団は淡い天体なので、空気のきれいなところを選ぶことが観測の第一条件です。 夏休みに海や山に出かけることがあったら、例えばヘルクレス座の球状星団M13を実際に探してみて ください。まず、夏の大三角形の一つである「こと座のベガ(織姫星)」の西よりに「H形」の配列をした ヘルクレス座を探してください。このなかのη星とζ星のちょうど中間あたりに目的のM13がいますの で、そのあたりを双眼鏡で見てください。きっと、淡くぼんやり丸いものが見えてくるはずです。望遠鏡 をここに向けて100倍以上の倍率をかけてやると、口径100ミリ以上の望遠鏡では球状星団の星々が いくらか分解して見えるようになります。 球状星団や惑星状星雲は、視直径が小さいですから、倍率を上げた方がよく見えますが、その他の 散開星団や散光星雲などの星雲は低倍率のほうがよく見えます。探すときは最低倍率、詳細に観測 するときは対象に適した高めの倍率というのが一般的な原則です。冬のプレアデス星団は双眼鏡で 見るのが一番美しく見えますが、こと座のリング星雲は100倍以上の高倍率が欲しいといった具合で す。 ![]() 【プレアデス星団】 一方、銀河は非常に遠方にあるため、望遠鏡で見ても、その中心部が見えるくらいです。周辺部は、 長時間の撮影などを通して、はじめて姿を現してきます。写真のように見えると思ったら大間違いで、 はじめからこんな風に見えるものだというイメージを持たないようにした方がいいでしょう。 |