「すばる」の名前

すばる
 
平安朝の清少納言による「枕草子」はご存知だろう。この枕草子の一節に

 星はすばる、ひこぼし、ゆうづつ、よばひぼし、すこしをかし。・・

と書かれている。
「ひこぼし」は七夕の星わし座のアルタイル、「ゆうづつ」は宵の明星(金星)、「よばひぼし」は流れ星をさしている。そして「すばる」は、秋から冬の夜空に6つ7つの星がひとかたまりになって見えるおうし座にあるプレアデス星団につけられた古来からの日本の名前である。
昴(すばる)という名前は、首にかける玉飾りと見たところから来ていると言われているが、日本では別の名前がつけれいる。「はごいたぼし(羽子板星)」、「むつらぼし(六連星)」、「いっしょうぼし(一升星)」など、星のつながりをそれぞれに見たてたものだ。。

ハワイのマウナケア山(4200m)にある日本の望遠鏡「すばる」は有効径8.2mの巨大鏡だ。1999年1月28日にファーストライトを行ったあと、各種の調整をしながら本稼動に向けて着々と準備を進めている。1度、主鏡がセルからはずれるというアクシデントがあったものの、その性能は抜群のようだ。これから興味ある写真が多く公開されていくものと思う。
それにしても、「すばる望遠鏡」とは、実にロマンに満ちて、日本的で、夢をさそう名前だと思いませんか?