【 収差 】
●収差 aberration
光学系によって結像する場合、像の理想像からの幾何光学
的なずれ。
球面収差、コマ収差、非点収差、像面の湾曲、ディストー
ション、色収差などがある。
●波面収差 wavefront
aberration
光学系を通過した波面の理想像面からのずれ。
●球面収差 spherical
aberration
光軸上の一点から出る光線が光学系に入射する場合、入射
点の光軸からの距離によって、光線が光軸と交わる位置が
異なる収差。
●コマ収差 coma aberration
光学系の軸外物点から出た光線束による軸外像点が一点に
集まらず、かつサジタル平面に対して非対称になる収差。
●非点収差 astigmatism
光学系の軸外物点から出た光線束による軸外像点が一点に
集まらず、かつサジタル像点とメリジオナル像点が一致し
ない収差。
●像面湾曲 curvature
of field
平面の物体の像面が湾曲する収差。
●ディストーション distortion
横倍率が像の大きさによって異なる収差。歪曲収差ともいう。
●色収差 chromatic
aberration
光学系によって結像する場合、光の波長によって、像の
位置及び倍率が異なる収差。
前者を軸上色収差といい、後者を倍率色収差という。
●残存色収差 secondary spectrum
色収差の補正を行っても、なお残存している色収差。
二次スペクトルともいう。
●正弦条件 sine condition
光学系の軸上の物点Pの像が、軸上の一点P’に収差な
く生じるとき、点Pを含み軸に垂直な平面の点Pに近接
する点Qの像が点P’を含み軸に垂直な平面の点P’に
近接する点Q’に収差なく、一点に結像するための条件。
正弦条件は次の式によって表される。
n sinθ/n sinθ'=一定(横倍率)
ここに、n :物体空間の媒質の屈折率
n’:像空間の媒質の屈折率
θ :物体空間において光軸上の物点から出る
光線の光軸との傾き
θ’:像空間においてθに共役な角
●アプラナティズム aplanatism
球面収差が存在せず、かつ正弦条件が満足されている事。
●火面 caustic
surface
収差がある光学系を通過した光線束の中で、光線の集中
集中密度が高い点を連ねてできる曲面。
光線束の包絡面に相当する。
●火線 caustic
line
火面とメリジオナル平面との光線。
●主光線 principal ray
光軸外の物点から出て、光学系の入射ひとみの中心を通る
光線
●周辺光線 marginal ray
光軸外の物点から出て、光学系の入射ひとみの周辺部分を
通る光線
●メリジオナル平面 meridional plane
光学系において、主光線と光軸とを含む平面。
子午平面ともいう。
●メリジオナル光線 meridional ray
光学系において、光軸外の物点から入射する光線のうち、
メリジオナル平面に含まれる光線。
●メリジオナル像面 meridional image surface
メリジオナル光線束によって生じる像面。
●サジタル平面 sagittal plane
光学系において、主光線を含みメリジオナル平面に垂直な
平面。
●サジタル光線 sagittal ray
光学系において、光軸外の物点から入射する光線のうち、
サジタル平面に含まれる光線。
●サジタル像面 sagital image surface
サジタル光線束によって生じる像面。
●スキューレイ skew ray
光学系を通過する光線のうち、メリジオナル平面内に
含まれない光線。
●斜光線 oblique ray
光学系に入射する光線のうち、メリジオナル平面内に
含まれ、かつ光軸に平行でない光線。