現代の天文学
●天文学の範囲は細分化され全体を見渡すことが難しくなってきている。宇宙論をやる人、太陽系をやる人、銀河をやる人など専門職が強く打ち出されている。こんな天文界の動向を捉えての今回の出版である。 日本天文学会が100周年を記念して「シリーズ現代の天文学」(日本評論社)全17巻の刊行を開始した。第一回配本は「人類の住む宇宙」と題して、プロローグとして天文学のエッセンスを紹介している。内容は文科系の人たちにも読んでもらおうという意識の元で数式が入った厳密な理論はコラムで扱い、脚注なども充実させて読み易さを表に出している。文章的に固いところもあるが、伝えようとする事柄は伝わってくる。天文学は日々進歩している学問である。そのため、今どのような観測事実があり、それに合う理論がどこまで進んでいるかを知りたい。例えば昨年話題になった冥王星が惑星からはずされ、新しい惑星定義が作られたことなども触れられている。カミオカンデによるニュートリノの観測、太陽系形成論など興味深い問題も要領よくまとまられていると思う。中には難しい内容もあるがじっくりと読めば理解できる事柄である。以後続刊が予定されているものは以下の通りである。 |
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記:2007/1/29 |