ザ・ムーン (In the Shadow of the Moon)
●「アポロ13号」のロン・ハワード監督による人類による月面着陸への旅の歴史を振り返る映画が公開されている。NASAの映像を背景に、月面に到達した宇宙飛行士のインタビューで構成している。かつて月面上を歩いたのは、アポロ11号のニール・アームストロングを筆頭に、たったの12人。 かつての月探索はどんな意味があったのか、そしてこれからの人類にどれだけの影響を与えるかをインタビューを通して淡々と描いているドキュメンタリー映画だ。約2時間、観客を惹きつけておく監督の手腕にまずは拍手を送りたい。 この映画を見ていて、これってどこかで見た印象があるとまず思った。月の映像は美しく確かに見た覚えはあるのだが、映像のことではなくて、インタビューという手法とその中で述べていることが、どこかで聴いた覚えがあるのだ。 そうだ、立花隆の「宇宙からの帰還」(中央公論社)である。本が出版されたのは1983年である。宇宙へ飛び出し帰ってきた宇宙飛行士のインタビューを通して、どういう思想の変遷を経てその後の人生を送ったかを詳細に追っている。ザ・ムーンができる25年以上も前にすでに同じ主題に取り組み、映画以上の内容を持っている。さすがに立花隆だと思う。まだ読んだことがない方は、ぜひ読まれることをお勧めする。ザ・ムーン以上の感動と深みが得られることを保証する。 |
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★アポロ13号は酸素タンク爆発でミッション中断したが、月着陸船を救命ボートとして使って無事帰還する (ジェームズ・ラベル、ジョン・スワイガート、フレッド・ヘイズ) |
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記:2009/1/26 |