● 地球は本当に丸いの?




 晴れた夜、空を見上げると星が瞬いている。初めて空を見上げた人間はどんな風に宇宙をとらえてきたのだろうか? 小さな子供たちが、明るく輝く月を見て、感動と驚き、ある子供は恐れの声を発する。真っ暗な夜と思っていた所に、見たこともない明りが宙に浮いて輝いているのだからもっともなこと
だろう。無数の星が、それに加われば、ますます神秘性が増してくるに違いない。
山へキャンプに行った時など、キャンプファイアーが終われば、数え切れない星々が姿を現してくる。星たちをただぼ−つと眺めているのもいいだろう。
しかし、ちょっと見方を変えてみると、新しい星との付きあい方ができるようになるに違いありません。まずは、私たちを乗せている宇宙船地球号から始める事にしましよう。

 私たちの日常の生活は昼が中心になっています。人間のサイクルもそれに順応しています。昼、活動し、夜は休息するという1日のサイクルは、人間に限らず多くの地球上の生物が長年月の進化の過程で獲得してきたものです。時には天文学者のように昼夜の生活パターンが逆転している種族もありますが・‥。
さて、1日のサイクルは、皆さんもご存知のように、地球の自転の影響です。
太陽は地球の半球を照していますが、反対側にまでは光がやってきません。
太陽に照らされている側が昼、照されていない側が夜というわけです。


【地平面とは?]
今ではこどもでも、大地が球であることを知っていますが、太古の昔はそうでは、ありませんでした。地球も地平面と言ったらいいでしようか。平面の上に私たちが暮らしていて、その上に、天球という丸天井が覆い被さっていると考えていました。古代インドでは、その平面が神の化身である象の上に乗っていると考えていました。象はさておいても、日常、私たちは平面の上に暮しているようにしか感じられないでしよう。知識では、地球という概念を知っていますが、感覚的にはまだ平面ではないでしようか?
大地が平面ではなくて、球ではないかと考えたのは、はるか昔、ギリシャの時代までさかのぽります。どうしてそんなことを思いついたのでしようか?

【地球が丸い? 1】 
                 
海の水平線を考えてみましよう。マストを持った舟が水平線からこちらに向かっているときのことを想像してみてください。まず、マストの先が少し現れます。しだいにマストの下の方まで現れ、最後には、舟のすべての姿が現れるでしよう。これが、地球が丸いのではないか?と考えるひとつのヒントになります。

【地球が丸い? 2】

月食という、月がしだいに欠けていく現象を注意深く見た事があるでしようか?
欠け際の影の形がまっすぐな直線ではありません。少し丸みを帯びています。月食がなぜ起るかと言えば、太陽からの光が地球でさえぎられて、月の上に、地球の影を作るからというのが現代の考えです。いつ起る月食でも、影の形が丸みを帯びているので、大地が丸いと考えると、合理的に説明できると思いませんか。

【地球が丸い? 3】

現代では、「大地が平面ではなくて、球であるということ」を、私たちは疑似体験できます。ロケットやスペースシャトルからの映像をテレビで見たことがあるでしょう。確かに地球は丸いな!と感じます。しかし、ここで注意したい事があります。
むかし、こんな映画がありました。宇宙船を月に送る話なのですが、例によって、アメリカとソ連との一番乗り競争が背景にあって、ソ連が月にロケットを近日中に飛ばすという情報がアメリカの大統領のもとに入ります。アメリカでも、その準備をしていましたがアメリカの射ち上げ期日は、ソ連の後でした。そこで、アメリカの威信をかけて先人争いに勝たなくては、ということで、策略をめぐらします。それは月面そっくりな風景をテレビスタジオの中に設置します。ソ連が射ち上げる前にアメリカ首脳部は、射ち上げを早めたことを、国民に告げてテレビで実況中継を行ないます.ロケット射ち上げの部分は本物を使って、実況中継します.その後月に軟着陸する場面はスタジオ内での風景を実況します。それを見た国民は皆、月軟着陸成功を疑うことがありませんでした。映画のエンドでは、これが暴かれるのですが、テレビというマスメディアの怖さをまざまざと見せつけました。これは、ひとつの例ですが、地球が丸いという疑似体験も、あくまでも疑似であって、実体験ではないということを意識しておくことは大切です。


【地球が丸い? 4】

もし、超スピードで南北に移動できる乗り物があったとしたら、次のような現象を目にすることができるかもしれません。
夜、星が出ているとき、北極星を見つめ続けて下さい。
赤道から北に向かって移動していきます。そうすると、赤道では地平線上に見えていた北極星が、北に移動するにつれて見える高さが高くなっていきます.同じ土地にとどまっている限り、北極星の位置は変らないのにです。
これを説明するのに、地球が丸いという仮定を使うとうまくいきそうです。ちよつと考えてみてください.