はくちょう座χ 極大!



はくちょう座χ(カイ)星はミラ型変光星。変光周期は408日で変光範囲は3.3等〜14.2等と10等級以上もある。これはミラ型変光星の中でも最大規模の変光幅だ。しかし極大光度の3.3等というのは1847年に一度記録されただけで、平均的な極大は4.2等〜5.1等程度しかし今年は3等級の極大を迎えた。写真中央の明るい赤みを持った星がχ星。月齢16日の明るい月があったが、肉眼だけでも十分に見えた。
はくちょう座χ 2006/8/10 3:04-3:08(JST)
3枚合成(30sec×1+60sec×2)
Vixen R200SS(D=200mm f=800mm)直焦
Canon EOS20Da、ISO800
LPS-P2フィルター
自宅にて

はくちょう座χの位置図 ( by Stellanavigator )
ミラ型変光星とは?
 数ヶ月から十数ヶ月の周期で明るさを変える長周期変光星。星が老齢期を迎えて不安定となると、収縮・膨張し、その大きさを変える。大きくなると暗くなり、小さくなると明るくなる脈動変光星である。最も明るい時と最も暗い時の明るさの差は、2.5等から最大11等にもなる。はくちょう座χは最大規模の変更範囲を持った星といえる。ミラ型という名前は、この種類の変光星の中で最初に発見されたくじら座ο星(ミラ)という星に由来していて、1596年、ドイツの牧師デビッド・ファブリチウスによって発見されている。 ちなみにミラは「不思議なもの」という意味を持っている。