昼間の金星



昼間に星を見たことがありますか?
金星のように明るい星は昼間でも充分に見ることができる。ただし探すのに少し工夫がいる。望遠鏡を載せている架台「赤道儀」の目盛環を利用する。まず太陽を望遠鏡に導いて(注意!このとき望遠鏡を覗いてはいけない。眼を傷めてしまう。望遠鏡の影を利用して導入する)、目盛環の数値を太陽の赤経、赤緯に合わせる(これはあらかじめ調べておく)。そして微動ハンドルを回して目盛が金星の数値(これも調べておく必要がある)になるまで移動する。そうすると、青空を背景にしてファインダーの視野の中に光る点が見えるはずだ。光る点を視野中央に入れれば金星の拡大像を見ることができる。下の写真はそうやって導入した金星の写真だ。夕方の高度が低い時に比べて真昼の方が像のゆれも少なく、きれいな形を見ることができる。金星の明るさは-4.5等、視直径は52.9"。

【導入時の太陽と金星の座標)】
・太陽の座標
: 赤経18h14m59.2s  赤緯-23°23'45"(J2000)
・金星の座標: 赤経20h13m48.7s  赤緯-19°12'24"(J2000)
金星 2005/12/25 14:26
Vixen FL80s 、LV7mm
Qcam_pro4000
1/50sec 、800frames
Registaxで合成処理

撮影モード&フィルターによる見え方の違い

これから日に日に太陽に近づいていく。近づくにつれて視直径も大きくなり、細くなっていく。そして来年の1月13日には太陽と同じ方向になる。水星と金星は地球より内側の軌道を公転しているので、太陽と同じ方向に見えるときが2回ある。太陽のこっち側と向こう側。こっち側で太陽と同じ方向に並ぶときを「内合」と呼んでいる。1月13日は内合である。このときには太陽の明るさに邪魔されて惑星を見ることはできないが、限りなく地球に近いときでもある。この日を境に金星は明け方の空に姿を現す。明けの明星である。
太陽系での金星の位置(2005/12/25)