金星の位相変化



3ヶ月半の金星の変化を追ってみた。この間に視直径は30″から60″まで変化している。満ち欠けの様子もよく分かると思う。一番大きくなるのは金星が太陽と地球の間で一直線に並ぶ内合のとき。この近辺では大きくて細い金星を見ることができるが、太陽に非常に近いため、観測には注意が必要である。うっかり太陽を入れようものなら、眼をやられてしまう。その注意さえ万全であれば、このときほど感動する金星の姿は無いだろう。満ちてきた金星の視直径は小さくなるが、条件さえ良ければ表面の明暗の模様を見ることができる。金星は厚い雲に覆われた天体なので、見ているのは金星の雲であるが、時々雲の下の地形が及ぼす微妙な変化が雲の表面に現れることがあるからだ。こういう変化を捉えるためには、紫外から赤外までいろいろな波長での観測が必要。波長が異なると観測する高度が異なってくる。短い波長ほど上層の雲を観測することになる。地上及び衛星での観測では、今後この辺の観測が必要になる。金星は木星や土星の観測に比べると派手さはないが、長期間眺めていると愛着が湧いてくるものだ。
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金星ー地球位置図 (by Stellanavigator7)