フェルメール


 
東京都美術館で開催されているフェルメール展に行ってきました。前々から一度は実物を見たいと想っていたものが、ここにきて8枚もの作品を集めて展示されるとあって楽しみに出かけてきました。平日の9時にオープンというのにオープン前にすでに100名以上の列を作っていました。
 展示は同時代のオランダ・デルフトの画家達の作品から始まる。デルフトの画家達の描く風景画はまるで写真のように細かい。きちっと描くことがこのころの特徴らしい。西洋美術館で開かれているコローの作品と比べるとまったく違う様相を呈している。フェルメールの作品は光と影の描写が何とも言えず美しく見惚れてしまう。多くの作品が左の窓から差し込む明かりを受けた人々や部屋の様子を描いたもので、題材は普通の生活の一部といえる。そんな世界を精緻に描き出す描写力には驚嘆する。フェルメールの作品でもっとも有名な「真珠の耳飾りの少女」は見れなかったが、それでもフェルメールの雰囲気を十分に味わうことができた。世界にフェルメールの絵は33〜37枚(不確かなものまで含めて)とも言われているが、その数の少なさも特徴と言えるかもしれない。.彼が絵を描く場合にカメラオブスクラを用いたのではないかということにも興味がわく。(カメラオブスクラについてはコーヒーブレイクに以前に書いているものがあるので、こちらもご覧ください。)
フェルメールについては朽木ゆり子さんの「フェルメール全点踏破の旅」(集英社新書)が詳しく非常に参考になる。


ヨハネス・フェルメール

Johannes Vermeer, 1632年10月31日-1675年12月15日)
 手紙を書く婦人と召使い
 
   
小路(こみち)
真珠の耳飾りの少女   
 記:2008/8/29