放物面鏡の形



反射望遠鏡の基本はニュートン式であるが、主鏡は球面ではなく「放物面という非球面」になっているのが普通だ。球面と放物面の違いがどのくらいなのかを計算してみると下図のようになる。球面から放物面に変形するのがいかに微妙なものであるかが下図(口径200mm、焦点距離800mmの場合)を見るとよくわかる。この図は球面からどのくらいずれているかを表している。横軸は左端が鏡の中心、右端が鏡の外周としたときの目盛を表し、縦軸は球面からずれている量(mm)を表している。
球面から放物面への修正は球面を磨いた後で行なう。周辺ほど削る量が多いが、修正量は最大でも約3ミクロン(1ミクロン=0.001mm=1E-03mm)以下である。この微妙な修正研磨を行なって放物面化する。放物面になっているかどうかはフーコーテストという方法で調べることができる。
 望遠鏡として組み立てた時、鏡が放物面に磨かれていると視野中央の像は球面収差が無くなり、非常に鮮明な像を結ぶようになる。ただ視野周辺になるほどコマ収差が増えてくるため、星像は彗星のような尾を引いたような像になってしまう欠点がある。
球面鏡と放物面鏡の光線の集まり方の違い
記:2007/2/20